- Autora: Yuriko Miyamoto(1899-1951)
- Fuente: Aozorabunko
- Nivel: JLPT N1
- Reeditado por SolamiKyoushitsu

個性というもの(1935年)
あるまじめな女のひとが次のような話をした。
「私は十三四からずっと印刷工場の女工をやったんですが、女工といっても職場で気持がちがいますよ。私たちは、拾うものを片端から自分の生活に関係なく読むもんだから文化的な水準は一等高いけれど、どうしても文学少女みたいになっちゃうんです。それが印刷で働いたものの一番の弱点だと思います。」
私はその話から、有名なフォード自動車工場の有様を思い起した。
印刷工場 いんさつこうじょう…la fabrica de imprenta
女工 じょこう…la obrera
職場 しょくば…el lugar de trabajo
拾う ひろう…recoger(del suelo)
片端から読む かたはしから(かたっぱしから)よむ…Leer todo el contenido.
文化的な水準 ぶんかてきなすいじゅん…el nivel cultural
一等 いっとう…1er puesto, supremo
文学少女 ぶんがくしょうじょ…las chicas «devora libros»
弱点 じゃくてん…el punto débil
有様 ありさま…la situación (connotación negativa)
あそこは能率増進のために極度に分業化され、たとえば鋲をこしらえる部では何年経とうがそれだけやらせられるから、さてクビになると機械工といってもかたわで修繕工にさえなれない。
これは恐しいことであると従業員は訴えているのである。
能率 のうりつ…la eficiencia, la productividad
増進 ぞうしん…el aumento, el incremento
極度 きょくど…algo extremo
分業化 ぶんぎょうか…la separación de trabajo
鋲 びょう…la chincheta, el clavo
クビになる(首になる)…ser despedido de un trabajo
機械工 きかいこう…el mecánico
修繕工 しゅうぜんこう…el reparador
従業員 じゅうぎょういん…los trabajadores
訴える うったえる…1)poner pleito a uno. denunciar. 社長を訴える
2)quejarse de algo 背中の痛みを訴える
3)manifestarse 憲法改正を訴える
私たちは、自分の性格というものまで、今日の社会機構の不自然な分業と、その全計画に参加し得ない組織によって労力だけをしぼられているうちに、いつとなく細分され、一面化されている。
現在の家庭というものも女にとってこの例外ではない。私たちはそれに対してはたしてどのような憤りを感じているであろうか。
〔一九三五年二月〕
自分 じぶん…uno mismo
性格 せいかく…la personalidad
今日 こんにち…hoy (en) día
社会 しゃかい…la sociedad
機構 きこう…el mecanismo
不自然 ふしぜん…antinatural
分業 ぶんぎょう…separación de trabajo
*全計画に参加し得ない ぜんけいかくにさんかしえない
…como si no estuviera participando en todos los planes
組織 そしき… la organización
労力 ろうりょく…la fuerza de trabajo
絞る しぼる…estrujar, exprimir
何時となく いつとなく…sin darnos cuenta el momento que ha pasado
細分 さいぶん…dividir minuciosamente
一面化 いちめんか…simplificado (一面una dimensión 化conversión)
現在 げんざい…el presente
家庭 かてい… el hogar
例外 れいがい…la excepción
憤り いきどおり…la indignación
*»como si no estuviera participando–» es la manera de expresar en japonés. Al usar la negativa, crea un toque cínico. «Como si estuviera participando» también está bien como traducción final.
あなたの気持ちを言葉にしましょう。
1)文章に習って、”有様(ありさま)” ”何年たとうが” ”いつとなく”これら三つの表現を使った短いフレーズを書きなさい。
1.1)有様
1.2)何年たとうが
1.3)いつとなく
2)「今日の社会構造の不自然な分業」とありますが、筆者には何が不自然なのでしょうか。
3)この文章について、あなたの意見を自由に書いて下さい。